開発秘話 ~無添加の辛子明太子への思い~
明太子を製造販売している者として、安心安全につながる無添加の辛子明太子をどうしても作りたい という思いが、ずっと心の中にありました。実際に辛子明太子のルーツを調べてみると、辛子明太子
の元祖が着色料・添加物(グルタミンソーダ等)をたっぷり使った物であったことがわかりました。
現在、数社から無添加とうたわれている辛子明太子が世にでていますが、無添加に関しての明確な基
準がなく、添加物として扱うべきかどうかがはっきりとしない原材料(米発酵調味料、還元水飴、酵
母エキス等)が使われていることもわかりました。そこで、誰がどう見ても完全に無添加といえる辛子明太子を絶対に作りたいという思いが更に強くなってきました。
~数々の試行錯誤の末、ついに完成~
一番難しかったのが、深みのある甘さを出すことです。添加物のほとんどが甘みに関する物で、これを使わないとなると甘みの成分の数が限られ、甘み・深みが不足しがちになってしまいます。
また甘みの成分数が少ない為にどれかをいじると全体の甘みが大きく変化するというとてもデリ
ケートな状態で、大変苦心しました。何度も何度も試行錯誤を繰り返し、やっと満足できる
甘みが得られました。
2次原料までにこだわりましたので、該当する市販原料がほとんど無く、探すのに苦心しました。
(隠し味の焼酎にいたっては、2次原料まで明確な物がこの世に無い事がわかり、当店としては
初めて焼酎をやめ清酒を使うことにしました。)
- 本ミリンはトウモロコシ・ブドウ糖・醸造アルコールを使っていない物
- 醤油は、国産大豆・小麦粉・塩だけで作られている物
(脱脂大豆はNG、保存料としてアルコールを使っている物もNG)
- 鰹エキス、昆布エキスは酵母エキスを使っていない物
- 清酒は、米と麹だけから作られた混ざりけのない物
結果的に漬け込みタレは、当社の従来品と比べて10倍以上のコストになってしまいました。
2年間かけてやっと納得のできる完全無添加の辛子明太子が出来上がりました。
当社の漬け込みタレを製造してもらっている下関の地場の老舗醤油メーカ「ヤマカ醤油」の専務・開発担当者の方が、林商店店主・林の思いに共鳴していただき、「一緒になって今まで世に無い本物を作りたい」といっていただけなければこの明太子は今でもまだ生まれていないと思います。